■ドイツの科学力は世界ニッチイイイな兵器



もはや説明不要と思われる、ドイツの必勝祈願兵器、A4ことV2弾道ミサイル。
1945年に、冗談抜きで(笑)宇宙空間まで飛んで行き、そこから地上へと落下してた兵器。

まあ恐るべき最終兵器ではあるのですが、弾頭に搭載できる爆薬が約1トンでは、
アンドロメダ生命体の超科学力を使って女湯のノゾキをやるのと同じような無意味さがあり、
事実上、戦況に影響は全く無かった兵器となります(涙)。

が、この開発陣を率いていたSS少佐の肩書きを持つ科学者、フォン・ブラウン博士は、
終戦間際、ナチス党の軍組織であるSSが占拠した研究所を強行脱出、
技術陣を引き連れてアメリカ軍に投降してしまい、
その結果、彼らのロケット技術(特に制御関係)によって人類は月に行くことになるのです。

ちなみに、ブラウンに見捨てられる形になったペーネミュンデ研究所は
その直後、侵攻してきたソ連軍に占領され、
残されていた気の毒なメンバーたちはソ連に連行され、
こっちはこっち宇宙開発に突き進む事になります。



Rheinbote(ラインボウテ?) 4段ミサイル。
これもラインメタル社製のもの。
1943年ごろから開発が始まった、
最大速度マッハ5.55を達成する一種の弾道ミサイルで、
各フィンのトコで切り離される、4段ロケット構造となっています。

弾道ミサイルとはいえ、V2のように宇宙まで飛んでゆくものではありません。
大砲の弾をもうちょっと高高度まで打上げられるようにしたもの、というのに近く、
実際、これは地上部隊の援護砲撃用に開発されたものでした。

ドイツ陸軍の電撃戦で、重火砲は重すぎてその進撃速度について行けず、
大火力による援護は、Ju87スツーカの急降下爆撃で行われました。

が、スツーカとてどこにでも居るわけではないし、必要な地点で使える
軽量で、持ち運びの容易な重火力を、という事から、ロケット弾だ、となり、
そこから、どうしてこうなったのか(笑)、このミサイルが開発される事になります。
どうも、うまく行ったら、敵の前線部隊だけでなく、
後方の兵站部隊、補給基地なんかも叩いてしまえ、と考えていたようです。

見ての通り、線の細いミサイルで(笑)、その弾頭に詰める炸薬はわずか40kg。
実に220km先まで飛ばせましたが、誘導装置は無く、撃った後は運まかせとなります。
ちなみに、目標が近距離の場合、途中のロケットを抜く事で
射程距離の調整をやるみたいですね、これ。

とりあえず、1944年末には量産まで行ったようですが、最終的に使い道に困って、
当時、連合軍の物資集積所であり補給港となっていた、
ベルギーのアントワープに向け、200発前後を打ち込んで終わりになったようです。
(この時はV1飛行爆弾はおろか、V2ミサイルも相当数、打ち込んでる)
ちなみに、これの戦果は全く不明(笑)。
40kgの弾頭では、まあイヤガラセの域は出なかったと思いますが。



HS 117 Schmetterling(シュメタリン?) 地対空ミサイル。
Schmetterlingてのは蝶の意味。
これもスミソニアンの別館で見た記憶が。

HSですから、ヘンシェル社の製品のはずですが、ここの解説だとラインメタル製になってます。
これは間違いで、ヘンシェル社のものと考えていいでしょう。

これまた、目視のよる無線誘導で飛んでく地対空ミサイル。
航空機から発射する空対空型も開発が行われていたようです。

先端部の付け根に見える小型プロペラで
発電機を回し、無線装置そのほかの電力をまかなってます。
本来は2発の補助ブースターが付くはず。

1944年の年末に試験に成功、1945年に量産開始を予定していたのですが、
2月になって突然計画はキャンセル、それっきりとなったようです。

しかし、ドイツ、地対空ミサイルこんだけ造って、ものになったのは一つもないのか…。



Feuerlilie(フォアリリア?) F25実験ミサイル。

Feuerlilieってのは燃えるユリの花の意味で、
この対空ミサイル開発計画のコードネームらしいです。

そもそも航空機から撃つのか、地上から撃つのかもよくわからんのですが、
とりあえず、遠隔操作可能なロケットを造ろうと思った
ドイツの帝国航空省(RLM)が製作した実験用の機体だ、との事。

ちなみに25ってのは直径が25cmだからだとか(笑)。



でもって、さらに大型の実験機として造られたのが、
この燃料タンクみたいなFeuerlilie F55ミサイル。

とりあえずわかってるのは、直径が55cmに増えて、名前が55になった、という事です(笑)。


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